札幌のワークショップSESSAに参加した話(中盤編 2/3)

序盤編 1/3 はこちら

チームAのコンセプトが決まった

課題は、「札幌の観光課題を“(広い意味での)デザイン”で解決せよ」

雪は札幌に住んでると避けて通れない存在であり、課題でもあり、でも、札幌らしさでもある。
そこで私たちチームAは、こう掲げました。

「雪をポジティブに変える」

札幌の雪を、“困りごと”ではなく、“魅力”や“価値”に変えていく。
それを観光に繋げれないか、そんなアプローチを探ることにしたのです。
もっとストレートにいうと「雪」をお金に変えたいのです。

ここで軽く札幌の「雪」の課題を

私自身、大阪から北海道に移住した理由はたくさんありますがその中の一つに「スノボがしたいから」「雪がいいから」があります。そう、私にとって雪は“憧れ”の象徴

除排雪予算 278.03億
冬は観光客が少ない傾向


あれ?えっと…..雪って結構嫌われてる?

スキー場などのリゾートで観光収入があるとはいえ、その売上だけでは到底まかないきれないのが現実。そう思うと、「雪=価値」って、まだまだ開拓の余地があるのかも……
と、ますますこのプロジェクトに本気になっていったのだった。

アイデア出しの混乱期

コンセプトが決まったら、次はひたすらアイデア出し。ああでもない、こうでもない、とにかく意見を出しまくる時間。

それがもう、めちゃくちゃ面白かった。

私は熱弁した。
「雪ってスノボできるし!見た目キレイやし!ワクワクするし!しかもさ、雪が降るとゴキブリ絶滅(たぶん)するしさ!!サ!!」


一方で、札幌をよく知るメンバーはというと……
「出勤前に早起きして雪かきが必要。しかも道路の雪って汚くてグチャグチャ、滑って転ぶし、ベビーカーも車椅子もまともに動かない。外に出たくなくなる。高齢になると雪かきができない課題がある」

いや、私ももう少しまともな意見は言った気がします。たぶん。
でもこのブレストで感じたのは、
地元の人にとって、雪は私が思っている以上に“邪魔なもの”として認識されているのかもしれない

ということ。

“雪が好き”という感覚と、“雪に向き合って生きてる”という感覚。
同じものを見ていても、その捉え方にはこんなに違いがあるんだと、改めて実感しました。

最終的に2案決まった

議論を重ねた末、私たちチームAで最終的にまとまったアイデアはこの2つ。

◉ 雪かき体験ツアー

雪国に住んでいない人にとって、「雪かき」ってちょっとした非日常体験になるのでは?という発想から生まれたアイデア。

雪かきをして、
そのあとに綺麗な景色を見て、
地元の人とちょっと交流して、
「旅の思い出」にできないかな?

さらにそれが、地域の除雪の手間を少しでも軽減できる仕組みにもなれば一石二鳥。
体験としての面白さ+地域貢献のバランスを考えたプラン。

◉ 冬の公園有効活用

北海道に移住して初めて知ったんですが、冬になると公園ってほとんど閉鎖されるんです。
積もった雪で丸ごと埋まってる公園も多くて、なんとももったいない。

だったら、そこを逆に使えないか?というのがこのアイデア。

雪で滑り台を作る?
秘密基地っぽい遊び場にする?
公園まるごと使って雪のアクティビティにしちゃう?

普段は使われない「冬の空間」に、新しい価値をつけられないかと考えました。

実際にやってみた雪かき体験デモ

土曜の朝5時集合で、雪かきデモツアー。

目的地は旭山記念公園。
真っ暗な中を集合して、雪をかいて、
そのあとに朝の景色を見る——という体験を実際にやってみることに。

観光客になった気持ちで映えを狙ってみる

雪だるまとか作っちゃって太陽と撮っちゃう

スコップまで映えさそうと必死

みんなでワイワイしている中、
ひとり黙々と大きなカメラ機材をセッティングしている人が。

それが、チームメンバーの映像クリエイター・中川さん。

私がちっさい脳みそフル回転で「スコップをどう映えさせようか…」などと悩んでいる間に、中川さんはすでにサクッと設営を終えて、撮影スタートしてました。
プロフェッショナル魂を感じました。考えてることが別次元です。
そして後日一瞬で編集して素敵な動画を作ってくれました。
提案書に入れるための動画ですが思い出にもなり、とっても嬉しかったです。
(私が持ってるスコップが小さすぎてちょっと面白いのでそれも見てください。笑)

完成したコンセプトムービーがこちら

そして、「ここにこういう導線があればいいよね」とか「観光で来る人にとってはこの流れがいいかも」とか、アイデアの“リアルな解像度”が一気に上がった感覚がありました。

やっぱり、実際に体験するって大事。
体を動かすことで、机上では見えてこなかった“本当の課題”にも気づけた時間でした。

あとは資料にまとめる

アイデアは出し切った。あとはそれをわかりやすく、伝わる形にまとめるだけ。

……だけ、って言うけど、それが一番難しい。

ということで、膨大なアイデアとメモの山を、パートごとに分割してみんなで手分けして資料作成。

ここで頼もしすぎたのが、プロダクトデザイナーのイッチーさん。
先陣を切って整理してくれて、構成も方向性もどんどんまとめてくれました。

その姿を見て、思いました。

まとめ役って……やっぱ必要だな。

チームで動くって、こういうことよな〜と実感しながら、それぞれが得意な形で貢献し合って、資料づくりもラストスパートに入っていきました。

終盤編 3/3へ続く…

Blogs List

CONTACT

当事務所にご関心をお持ちいただきまして、ありがとうございます。
お仕事に関するご相談は下記よりお問い合わせください。

© Copyright 2024 NIAR All rights reserved.